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紹介制度について

患者さんを
ご紹介いただく先生方へ

兵庫医科大学呼吸器外科では、呼吸器疾患(悪性・良性)に対する外科治療を提供しております。当科は2004年3月1日に旧胸部外科教室から独立して新設されました。京都大学呼吸器外科より長谷川誠紀が初代主任教授として就任し、スタッフ全員が「自分や、自分の家族が受けたい医療」を目標に、日々力を尽くしております。

2017年1月~12月の手術総数は394件で、肺癌が140例、転移性肺腫瘍40例、悪性胸膜中皮腫に対する根治手術は全国最多の30例(胸膜切除/肺剥皮術27例、胸膜肺全摘3例)でありました。

肺癌治療の外科治療では、早期癌に対しては胸腔鏡手術や区域切除術など体への侵襲の低い手術をめざします。一方、進行癌では他科との協力体制のもと周辺臓器合併切除等の拡大手術も行っております。個々の症例に最適で質の高い医療を提供するために、呼吸器外科・呼吸器内科・胸部腫瘍学講座・放射線科・病理部門の合同カンファレンスによる検討を毎週開いております。質の高い集学的治療、より高い根治度をめざした外科治療を目指して日頃より努力しております。

悪性胸膜中皮腫に対しては、手術だけでなく化学療法や放射線治療も併用する集学的治療を行ない、非常に良好な成績をあげており、手術数は世界でもトップレベルです。悪性胸膜中皮腫は非常に稀な疾患であるため十分な治療経験を持つ施設が少なく、全国あるいは海外からも患者さんをご紹介頂いています。また、悪性胸膜中皮腫に関する臨床試験や登録事業、学会活動、啓蒙活動でも我が国の中心的役割を果たしています。
近年の特徴として手術を受けられる患者さんの高齢化が挙げられます。多くの方は心臓・血管、消化器、腎臓、内分泌・代謝をはじめとする合併症をお持ちで、外科治療での制約やリスクがあります。そのようなケースでは、各部門にトップリーダーがいる大学病院の利点を生かし、各専門領域の診療科と連携しながら、最適かつ万全の体制で治療を行います。

その他にも、縦隔腫瘍、重症筋無力症合併胸腺腫、気胸、膿胸、胸部外傷など、呼吸器外科全般を守備範囲として外科治療に携わっております。地域の最後の砦としての責務を果たすべく、今後も医療に関わってまいります。
ご紹介いただきました患者さんの診療経過につきましては、初診時・治療前後・近況などを紹介医の先生に逐次ご報告申し上げます。日常生活に戻られた患者様を紹介医の先生とご一緒にフォローアップさせて頂くことが私たちの目標です。